障害年金Q&A

障害年金が受給できる病気は決まっているの?

原則としてすべての病気で障害年金は受給できる

疑問

障害年金の障害等級の審査は「障害認定基準」の第3の第1章「障害等級認定基準」に基づいて行われます。

「障害等級認定基準」は第1節から第19節までの19節が設けられていますが、その第18節に「その他の疾患による障害」という節があります。

第11節・心疾患(心臓病)、第12節・腎疾患(腎臓病)、第13節・肝疾患(肝臓病)、第15節・代謝疾患(糖尿病など)、第16節・悪性新生物(がん)、第17節・高血圧症など、主な病気の多くは「障害等級認定基準」によって障害等級判断の基準が設けられています。

しかし、「障害等級認定基準」では基準が設けられていない病気による障害は、第18節・その他の疾患による障害に分類され、この節の基準に基づき障害等級が判定されます。

そしてその基準で障害年金が受けられる障害等級に該当すると認定された場合には、障害年金が支給されます。

病気に罹患しても、医師の診療を受けない病気では障害年金は受けられませんが、医師によって病気と診断され現に治療を受けており、その病気によって一定以上の障害の状態になれば、障害年金を受給できる可能性があります。

その他の疾患による障害の認定基準について

障害等級認定基準の第18節「その他の疾患による障害」の認定基準は次のようになっています。

 
1級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しく制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの

認定の参考

実際の等級審査では、以下の一般状態区分のどのランクに該当するかが認定の参考とされます。

  1. 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの
  2. 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの(例えば、軽い家事、事務など)
  3. 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
  4. 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外へ外出等がほぼ不可能となったもの
  5. 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベット周辺に限られるもの

認定においては、(オ)に該当すれば1級、(エ)又は(ウ)に該当すれば2級、(ウ)又は(イ)に該当すれば3級に相当するものと考えらます。

障害の原因

審査基準において第18節「その他の疾患による障害」で判断される障害の原因となる疾病としては、以下のようなものが例示されています。

  • 腹部臓器、骨盤移植の術後後遺症
  • 人工肛門、新膀胱の造設
  • 遷延性植物状態
  • いわゆる難病
  • 臓器移植

平成30年4月時点で厚生労働省が指定する難病は331ありますが、そういった難病による障害でも上記の基準を満たす場合には、障害年金が受給できます。