脳梗塞で後遺症にお悩みの皆様へ

脳梗塞の後遺症で障害年金が受給できる

障害年金は一定の基準を満たす限り、医師が病気と認定し治療の必要があるものであれば、どのような病気に基づくものでも支給の対象になります。

もちろん、脳梗塞を発症した結果障害が残った場合にも、その障害の状態が障害認定基準を満たすものであれば、障害年金の対象になります。

脳梗塞は患者数の非常に多い国民的な疾病なので、それによる障害にお悩みの方の数も非常に多くなります。

障害年金の受給者数の約半分は精神の障害によるものですが、脳血管障害で障害年金を受給する方も他の障害と比べると多くなっています。

同じ障害が原因で障害年金を受給される方が多ければ多いほど、障害年金の認定事例が蓄積されて障害年金の申請が容易になる傾向があります。

脳梗塞を含む脳血管障害が原因で障害年金を受けられ方の数は非常に多いのですので、その意味では、脳梗塞が原因の障害年金は比較的申請しやすい年金だと言えます。

65歳以降に発症した脳梗塞の後遺症では障害基礎年金は受給不可能

脳梗塞は高齢期に発症するケースが多いですが、65歳を過ぎている方(会社には勤めていない)が65歳を過ぎて初めて脳梗塞を発症した結果、障害が残った場合には障害年金は受給できません。

脳梗塞による障害で障害年金が受給できるのは、原則として、65歳までに発症した(初診日がある)脳梗塞による障害ということになります。

65歳を過ぎて脳梗塞を発症した場合でも、その方が会社にお勤めで厚生年金の被保険者である期間中に初診日があれば、障害厚生年金の申請は可能です。

ただし、65歳前の厚生年金期間に初診日がある2級以上の障害厚生年金は障害基礎年金も併せて受給できるのに対して、65歳以降に初診日がある2級以上の障害厚生年金は障害基礎年金を併せて受けることができないので、受給額が低額になります。

障害等級が3級であれば、3級は障害厚生年金にしかありませんので、初診日が65歳前か後かで障害年金の受給額は変わりませんが、障害等級が2級以上だと初診日が65歳前と後では受給額が変わってきます。

脳梗塞の後遺症で障害年金を申請する場合の診断書について

脳梗塞による障害の大部分は手足が不自由になるということです。従って、脳梗塞による障害で障害年金を申請する場合に使う診断書は様式第120号の3(肢体の障害)を使うことが多くなります。

脳梗塞による障害で失語症になった場合で、その失語症を障害とする障害年金を申請するケースでは、診断書の様式第120号の2(そしゃく・嚥下機能・音声または言語機能の障害)を使います。

脳梗塞による障害で精神の障害を残し、それに基づいて障害年金を請求する場合には、診断書の様式第120の4(精神の障害)を使用します。

脳梗塞による障害で神経障害(疼痛など)が残り、それに基づいて障害年金を請求する場合には、様式第120号の7(その他障害)を使用します。

このように、脳梗塞による障害で障害年金を請求する場合には、障害の状態によって障害年金の申請の際に使用する診断書が異なってくるので注意が必要です。

脳梗塞による神経障害で障害年金を申請する場合の認定日の特例

脳梗塞による障害で障害年金を受給するためには、原則として脳梗塞の発症から1年6カ月を経過した障害認定日において障害状態が一定の基準を満たしている必要があります。

ただし、脳梗塞で神経系統の障害を発症し、その障害で障害年金を申請する場合で、次の症状を呈する場合には、発症(初診日)から1年6カ月が経過しない日を障害認定日とすることができます。

症状

脳血管障害(脳梗塞)により機能障害を残しているときには、初診日から6月を経過した日以後に医学的な観点からそれ以上の機能回復がほとんど望めないと認められないとき

脳梗塞による神経障害で障害年金を申請する場合、一定の要件を満たすと、初診日から1年6カ月を経過しなくても障害年金の申請ができるので、より早く請求者を救済できます。