障害年金Q&A
障害年金は人工透析でも受給できるの?
障害年金を申請すると、裁定請求書に添えられた診断書に記載されている障害の状態が、障害年金のいずれかの等級に該当するか否かの審査が行われます。
障害基礎年金の場合には2級以上に該当しないと年金は支給されませんし、障害厚生年金の場合には3級以上に該当しないと年金は支給されません。
診断書に記載された障害の状態は障害等級認定基準によって審査が行われます。
この障害等級認定基準は第1節から第19節まで構成されていますが、第12節では腎疾患による障害の障害等級認定基準が設けられています。
この認定要領の中に次のような記載があります。
「人工透析療法施行中のものは2級と認定する。なお、主要症状、人工透析療法施行中の検査成績、長期透析による合併症の有無とその程度、具体的な日常生活の状況によっては、さらに上位等級に認定する。」
したがって、人工透析療法施行中であれば障害等級の2級以上に該当するので、初診日が属する月が国民年金期間の場合は障害基礎年金、厚生年金期間の場合は障害厚生年金を受け取ることができます。
人工透析による障害年金の認定日の特例について
障害年金を受給するためには、障害の状態が基準日(障害認定日)において障害基礎年金の場合は2級以上、障害厚生年金の場合には3級以上に該当する必要があります。
その等級を判断する障害認定日は、ほとんどの障害については初診日から1年6か月を経過した日とされています。
ただし、一定の障害については初診日から1年6カ月を経過しない時点が障害認定日となり、その時点で障害等級を判断することができます(障害認定日の特例)。
人工透析による障害年金についても障害認定日の特例が設けられており、人工透析療法を初めて受けた日から3か月を経過した日を認定日として、障害等級を判断できます。
ただし、初診日から1年6か月を経過した日が人工透析療法を始めて受けた日から3か月を経過した日よりも早く来る場合、初診日から1年6か月経過日が認定日となります。
初めて人工透析療法を受けた日から3か月経過日が、初診日から1年6ヵ月経過日より早く来る場合、早期に障害年金の請求ができますのでより早く年金を受け取ることができるということになります。
人工透析による障害年金の請求は行いやすい
腎疾患も含めた内部疾患による障害年金の申請は難しいのが実情です。
内部障害による障害年金の不支給決定率(100件の申請に対して何件が不支給となるかの割合・平成24年度データ)は28.1%と、申請4件に対して1件以上不支給となります。
不支給決定率は精神・知的障害で12.1%、肢体障害を除く外部障害で12.3%、肢体障害で16.8%となっており、内部障害の不支給決定率が群を抜いて高いことが分かります。
不支給決定率が高いということは、それだけ申請が難しいということになります。
内部障害に基づく障害年金の不支給決定率が高い原因の1つとしては、障害等級認定基準が複雑で分かりにくく、事前に審査結果を予測することが難しいことが挙げられます。
しかし、人工透析療法施行による障害年金の場合には人工透析療法施行中であれば2級という明確な基準があります。よって、これに基づく障害年金の申請はし易いということができます