身体障害者手帳2級
年金事務所で受給は無理と言われ諦めていた
障害要件を満たすかどうか、判断が難しいとき
ご相談者
女性(40代)
障害の種類
- HTLV-1関連脊髄症(HAM)
状況(発育歴・治療歴)

- もともと慢性的な腰痛を抱えておられましたが、7年ほど前から足がもつれて歩きにくくなったり、階段を降りるのが困難になったりするなど、それまでなかった症状が現れるようになられた。
- 病院で検査を受けられたところ、HTLV-1関連脊髄症と診断された。
- その後、歩行障害が進行し、立っていても左右の足の支える力が弱く、足が崩れてしまうようになった。
- また、膝が曲がらないため体重をかけることができず、常時杖歩行となった。
- 昨年身体障害者手帳2級を交付された。
- 年金事務所に障害年金の相談に行かれたところ、「年金事務所に一人で来て、前の階段を上れるのだから、障害年金受給は無理。」と言われた。
ご相談の内容
Q. 私は本当に障害年金受給の可能性がないのでしょうか?
A. 障害年金の受給要件は次の4点とされています。
- 初診日要件
- 加入要件
- 納付要件
- 障害要件
障害年金受給のためには、これらの要件を全てクリアすることが必要です。
年金事務所では、1,2,3の要件は満たしているが、4を満たしていない可能性が高いということを伝えられたのだと思います。
しかし、4.障害要件、つまり障害の程度というものは、客観的基準や数値で定めることが難しく、ときに相当に医学的に高度な知識が求められます。(障害認定基準の中には数値化しているものもありますが、それは主として血液検査データや腎障害における血清クレアチニン濃度、肝疾患の場合のGOT、GPTの値などです。数値化そのものが難しいケースが多いです。)
HTLV-1関連脊髄症(HAM)は平成21年度より、難病のひとつとして国から指定を受けています。
HTLV-1に感染したTリンパ球が脊髄の中に入り込み、炎症を起こすことがきっかけと考えられており、脊髄の中で起こった炎症が慢性的に続くことで、神経細胞が傷つけられます。
脊髄には両足、腰、膀胱、直腸などへつながる神経が通っているので、足が動かなくなったり、排尿障害、便秘などの症状が現れたりするそうです。
HTLV-1関連脊髄症は、病気の症状や進行具合の個人差がとても大きいという特徴をもっています。
このようなご病気を抱えられた相談者様の障害の程度については、年金事務所や社会保険労務士が簡単に判断できるものではありません。
主治医に相談の上、診断書を作成していただき、年金機構の審査を受けられることをお勧めします。
ご相談をお受けして
障害要件については、障害年金申請を何度も経験している専門家であってもその判断は容易ではありません。
当事務所では「〇〇だから障害年金は無理だ」という考え方ではなく、「障害年金を受けられるかもしれない」という発想で、受給の可能性をあらゆる角度から探ることが大切だと考えております。