社会保険加入状況と障害認定の関係は
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はじめに
「障害年金は自分には該当するのであろうか」「病気で休職を繰り返して、いつまで勤めることが出来るだろうか」と悩まれている方も多い事と思います。
今日は、厚生年金被保険者であることと障害年金の認定についてお話させていただきます。
厚生年金被保険者
厚生年金被保険者であるということは、実務の世界では会社(厚生年金保険の適用事業所)で、正社員の週勤務時間の3/4以上働いている状態ということになります。つまり、週所定労働時間が40時間の会社において、「週30時間以上は働けている」ことを示していることになります。
また、平成28年10月1日からは、厚生年金被保険者が500人を超えるような大企業(特定適用事業所)においては社会保険の適用拡大が施行されました。週20時間以上の勤務をし、条件に合致する方は社会保険に加入しなければなりません。
さて、障害年金の認定において、「働いている=不支給」という決まりはありません。もちろん「社会保険に加入している=正社員の3/4くらいは働けている=不支給」ということもありません。※1
なぜなら、社会保険加入要件は「労働時間、日数」を基準として決定されているからです。障害年金の認定において注視されるのは、時間や日数だけでなく「仕事の種類や内容」「就労状況」「仕事場で受けている援助の内容」「周りの従業員との意思の疎通状況」等なのです。
障害年金認定は書面だけで行われる
ただし、ここで忘れてはならないことが一つあります。それは、障害年金の障害認定は「書面だけで行われる」ということです。
例えば、先日ご相談にお見えになった、Aさんのケースです。会社側の配慮や、周りの仕事仲間が援助してくれている状況で、病気の治療と就労を継続中とのこと。通勤ラッシュにあわないように勤務時間帯をフレックスしてもらったり、仕事量、内容、配置部署を考慮してもらいながら社会保険に加入中だそうです。
このような場合、「病歴・就労状況申立書」に丁寧な記載が必要となります。社会保険に加入している状況であるものの、発病前と比べてどのような配慮を受け就労しているのか、具体的に労働にどのような制限があるのかといったことを、わかりやすく記述していくことが重要なポイントとなります。会社の上司などから、職場での配慮事項を記載した内容の文書を作成してもらうと、説得力のある資料の一つとなるでしょう。
こうした詳しい記述をしないままに、障害年金の裁定請求に進んでしまうと、「社会保険に加入している=正社員の3/4くらいは働けている=不支給、または支給停止」となってしまうこともあるのが現実です。
年金機構に「働けている=障害状態が重くない」と受け止められてしまうことを避けなければなりません。
障害年金の請求には、押さえるべきポイントがいくつもあり、今日お話しさせていただいたこともそのうちの一つです。
就労しながら障害に立ち向かわれている方々に、障害年金を受給することで生活の支えがひとつでも増えますよう、日々願っております。
※1 但し、20歳前障害による障害認定の場合は、障害年金受給に際し所得制限があります