「国民年金手帳」廃止へ
はじめに
障害年金を請求される際、年金手帳を提示したり、写しを添付するなどして、手続時に年金請求者の基礎年金番号を確認することがあります。高齢となって請求する「老齢年金」や、万が一ご家族を失って請求する「遺族年金」の手続きにおいても、現在はこれがスタンダートとなっています。
令和2年6月5日公布の国民年金法等の一部を改正する法律(以下、法改正という。)において、「国民年金手帳」の新規発行(20歳到達時、20歳前における厚生年金等の加入時)、紛失等による「国民年金手帳」の再発行が廃止されることが明らかになりました。
なぜ年金手帳が廃止されるの?
かつて、国民年金手帳は各種公的年金制度への加入、喪失手続きの際に必ず役所窓口に持参することとされ、加入記録が手帳所定欄に手書きで記載されていました。
その方の年金番号を証する書面としてだけでなく、年金保険料の納入証明としての機能がありました。
また、勤め先を変わるごとに、新たな年金番号が附番されることが多く、年金の二重記録や、未統合年金、宙に浮いた年金記録発生の原因ともなっていました。
基礎年金番号制度の導入、マイナンバー制度の導入を経て、現在においてはマイナンバーと基礎年金番号の紐づけが行われ、年金加入記録も適切に管理されています。これらの変化により年金加入、喪失手続きに際し年金手帳の提示をする意味合いが薄れました。
今後は、手帳スタイルから通知書スタイルへ変更されることで、その発行コスト削減も期待できるとのことです。
いつから年金手帳は発行されなくなるの?
令和4年(2022年)4月1日から廃止となります。
同日以降は、「国民年金手帳」に代わり「基礎年金番号通知書」という、色付き上質紙に、厚生労働大臣印の印影が印字されている通知書の発行が検討されているようです。
これまでの国民年金手帳では、基礎年金番号の証明にならないの?
年金手帳から新制度に移行する際の経過措置として、年金手帳の再交付申請は廃止となります。
しかし、従来の年金手帳については、引き続き基礎年金番号を明らかにすることができる書類として利用できることが規定されます。
年金手帳交付の費用削減効果はどのくらい?
これまでの、年間事務コスト(平成28年度実績)として、
年金手帳新規発行:153万件/年
年金手帳再発行:74.5万件/年 であり、
要した費用は、2.7億円にも上るとのことです。
(以上データ:厚生労働省HPより参考)
まとめ
脱ハンコや金融機関における通帳発行有料化など、これまで世間において、大変重要であったとされる形式が、大きな変化の波にさらされています。「国民年金手帳」と聞いて、なんだかとても懐かしいな・・・と思う日もそう遠くないようです。
今後、個人においても、企業においてもますます、目に見えない形(データ)の管理体制の整備が求められていくことでしょう。