「眼の障害」の認定基準が一部改正されました

令和4年1月1日から、眼の障害による障害年金認定の基準となる「障害認定基準」が改正されました。
基準が改正されたことにより、これまで使用されていた眼の障害用の診断書(様式第120号の1)の様式も変更されました。
経緯

日本眼科医会、日本眼科学会などからは、かねてより、視覚障害の障害年金認定基準に関して、改善すべき点があるとの意見が上がっていました。
障害年金認定基準の見直しに先立ち、平成30年7月には身体障害者手帳(視覚障害)の認定基準が変更されています。
厚生労働省は、令和3年4月より複数回にわたり「障害年金の認定(眼の障害)に関する専門家会合」を開催し、認定基準改正案について検討を重ねていました。
様々な改正点がある今回の認定基準改正ですが、この改正により従来の認定基準によって障害等級認定されていた方の等級が下がることのないようきっちりと設計されているとのことです。
目次
<改正点>
1 障害認定基準の改正 | |
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❶ 視力の障害認定基準 | 「両眼の視力の和」から「良い方の眼の視力」による障害認定基準に変更 |
❷ 視野の障害認定基準 |
・これまでのゴールドマン型視野計に基づく障害認定基準に加え、現在広く普及している自動視野計に基づく障害認定基準を創設 ・求心性視野狭窄や輪状暗点といった症状による限定をなくし、測定数値により障害等級を認定するよう変更 ・これまでの障害等級(2級・障害手当金)に加え、1級・3級の規定を追加 |
2 診断書様式の変更 |
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視力・視野の障害認定基準の改正に伴い、診断書様式を改正 |
解説
- 障害認定基準の改正
- ❶
視力の障害認定基準の変更で、より多くの方が障害年金受給可能に視力の障害については、これまで、右目と左目両方の視力(矯正視力です)を足した値(和)により審査が行われていました。
改正後は、右目と左目の視力を比べ、良い方の眼の視力の値により審査が行われることになりました。
良い方の視力が悪いのにもかかわらず、他方の眼の視力と合わせると等級が低くなってしまっていた方や、等級不該当であった方にとって、この改正により上位等級に認定されたり、障害年金が受給できるようになる可能性があるでしょう。 - 視野の障害認定基準
・これまでは「ゴールドマン型視野計」という視野測定機による測定のみが、障害年金の認定にかかる視野測定方法として認められておりました。今回の改正により、現在、眼科医療機関に広く普及している「自動視野計」による測定方法も認定対象に加えられました。
・求心性視野狭窄や輪状暗点といった症状による限定を廃止し、視野の測定数値により障害等級を認定するよう変更されました。中心視野消失による視野障害(中心暗点)などを含め、測定数値が基準を満たせば障害等級が認定されるようになりましたので、判定基準がより明確になったといえます。
・視野の障害については、これまで2級および障害手当金の基準しかありませんでした。今回の改正により、新たに1級と3級の認定基準が追加されました。
これまで視野障害で障害年金2級を受給されていた方は、新基準により1級に認定される可能性があります。
今一度、ご自身の視野状態について新基準と照らし、ご確認されることをお勧めいたします。
- 診断書様式の変更
- ・認定基準改正に伴い、新基準で認定するために必要な情報が網羅されるよう、新しい様式に変更されました。
・これまでは、視野の図を医師が書き込む欄があったのですが、改正後は、医師の負担軽減および適正な認定が行われるよう、医師が視野図を診断書に記載するのではなく、視野図のコピーを診断書に添付することとされました。
まとめ

眼の障害により、2級又は3級の障害厚生年金、障害基礎年金を受給されている方は、今回の改正により上位等級に認定され、障害年金額が増える可能性があります。
障害認定基準の改正に伴い、障害等級が上がり、障害年金額の増額を希望される場合は、令和4年1月以降に日本年金機構にて「額改定請求」という手続きを行う必要があります。

認定基準の改正により自動的に再認定されることはありませんので、注意が必要です。
また、今回、障害認定基準の改正があったことをご存じでない方も大勢いらっしゃると思います。あるいは、ご自身やご家族が障害年金の受給対象になるのではないかと悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時は、どうか障害年金の専門家である私たちに、ぜひ一度ご相談頂ければと思います。
厚生労働省配布のリーフレット
令和4年1月1日から「眼の障害」の認定基準を一部改正します
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2021/202111/shougainintei.files/2021.pdf
「眼の障害」の障害認定基準の改正による額改定請求のご案内
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2021/202111/shougainintei.files/2021-2.pdf