発達障害ってどういうもの?
● 発達障害者支援法
「発達障害者支援法」は、平成17年に施行された法律で、これまで学校教育の場などで課題となりつつも、支援が届きにくかった「発達障害」のある方が適切な支援を受けられる体制を整備することを目的としています。
この法律では、発達障害者の生活全般にわたる支援の促進や、関係機関の連携体制の整備、発達障害への理解の促進を目指し、早期発見、支援のための施策や発達障害者支援センターの業務について定められています。
平成28年に改正され、乳幼児期から高齢期まで切れ目のない支援、家族も含めたきめ細かい支援、地域の身近な場所での支援がさらに重視されることとなりました。教育、情報共有、就労、権利擁護、司法手続きなど、様々な場面での支援を整えることで、発達障害者があらゆる分野の活動に参加でき、地域で人々と共生できる社会を目指しています。
●「発達障害」「発達障害者」の定義
「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害を指します。
「発達障害者」とは、発達障害がある方で発達障害及び社会的障壁により日常生活または社会生活に制限を受ける方のことを指します
● 発達障害のある方の特性
発達障害に関する書籍を読むと、特性についての説明がありますが、例えば「コミュニケーションが苦手」といっても、具体的にどのようなことが苦手なのか、実際に遭遇しないと分からないことも多いです。
そこで、当事務所が実際に発達障害のある方からお受けした相談内容を挙げてみたいと思います。
- 一つの作業に集中している時に、突然話しかけられると、作業を再開できず、最初からやり直さなければならなくなる
- 作業中に「これもやっておいて」と言われても、同時に二つの作業はできない
- 「3分待って」と言われて時計で3分計り、再度話しかけたのに、「まだ忙しい」と怒られた
- (職場で)上司からミスを指摘され、「指示通りにやりました」と言ったら関係が悪化した
- (職場等で)席替えをされると不安になる
- (職場等で)「あれ適当にやっておいて」と言われても、「あれ」が何を指すのか、「適当」がどの程度か分からない
- (職場等で)「再来週の金曜までに」と言われても、遠い未来のことと感じ、ピンとこない
- (職場等で)プリンターやコピー機の音が気になって集中できない
- 蛍光灯が明るすぎて集中できない
- 車を買ったが、フロントガラスが歪んでいるのが気になって気持ち悪くなり、その日のうちに売り払った(周囲の人は歪んでいないと言う)
- スケジュールや手順を変更されるとパニックになる
- お金を貸してくれと言われ、断り方が分からず貸してしまった
- 今声をかけてよいのか、忙しいのではないかと悩み、1日が過ぎてしまった
- 自分の将来の姿が想像できず、目標が分からない
- いくら努力しても自己PRができない
- 空気を読めないことを自覚しているので、相手の気持ちを読もうと必死になり、疲れてしまう
- 相手が不機嫌な顔をしていると自分のせいではないかと不安になる
- 覚えられることは一度で覚えられるが、覚えられないことは100回覚え直しても覚えられない
発達障害のある方のなかには、一見障害があることが全く感じられないケースも多くあります。しかし、よくお話を聞いてみると、これまでの失敗や挫折から、常に強い不安を感じている方が多いです。またその不安はこちらが想像するよりはるかに大きく、うつ病を併発することもあります。
発達障害がある方に対して、障害年金制度を含め、教育・雇用・医療などの各分野で生活全般にわたる支援が整えられた社会でなければならないと強く感じます。