どんな病気で障害年金が受給できるのか

障害年金を受けることのできる病気の概説

障害年金を請求する場合には、

障害年金の申請書

医師が作成した診断書

を年金事務所の窓口に提出します。

その診断書には 8種類の様式があります。

どんな病気で障害年金が受給できるかということについては、この8種類ある診断書の各様式ごとにその診断書で障害年金を請求する主な病気が決められています。 それを見ると、どういった病気で障害年金が請求できるかということについてのおおよその判断ができるので、以下に表示します。

8種類の診断書リスト

この診断書を使う主な病気

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、癒着性角膜白斑、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症

この診断書を使う主な病気

  • メニエール病、感音性難聴、突発性難聴、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害
  • 外傷性鼻科疾患
  • 咽頭摘出術後後遺症、上下顎欠損

この診断書を使う主な病気

上肢又は下肢の切断・離断障害、上肢又は下肢の外傷性運動障害、脳血管障害(脳梗塞、脳血栓、脳溢血、脳軟化症等)による肢体不自由、重症筋無力症、関節リュウマチ、ビュルガー氏症、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー

この診断書を使う主な病気

老年及び初老性認知症、その他老年性精神病、脳動脈硬化症に伴う精神病、アルコール性精神病、頭蓋内感染に伴う精神病、統合失調症、そううつ病、てんかん性精神病、その他精神病

この診断書を使う主な病気

肺結核、じん肺、気管支喘息、慢性気管支炎、膿胸、肺線維症

この診断書を使う主な病気

慢性心包炎、リュウマチ性心包炎、慢性虚血性心疾患、冠状動脈硬化症狭心症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、心筋梗塞

この診断書を使う主な病気

  • 慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全
  • 肝炎、肝硬変、多発性肝腫瘍、肝がん
  • 糖尿病、糖尿性網膜症、糖尿性腎症、その他糖尿病性と明示されたすべての合併症

この診断書を使う主な病気

  • 悪性新生物等、その他の疾患

(健康と年金出版社「障害給付Q&A」改訂第7版p185より)

このリストを見ると、だいたいどのような病気で障害年金が受けられるのかということについて大体の見当が付きます。

上記リストに記載された病気はあくまでも例示であって、上記リスト以外の病気が原因の障害であっても一定の要件を満たす場合には、障害年金が受給できます。

障害年金を受けるためには医師の作成した診断書が必ず必要ですから、医師の診療を受けていない病気は障害年金の対象外です。

医師の診療を受けている病気であれば、障害年金の基準を満たしている場合にはどんな病気でもそれに基づく障害で障害年金を受給できる可能性があります。

どのような病気でも障害年金を受給できる可能性がある

少し長くなりますが国民年金保険法や厚生年金保険法で規定している障害年金を受けられる障害の状態を次に示します。

第一 両眼の視力の和が0.04以下のもの

第二 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの

第三 両上肢の機能に著しい障害を有するもの

第四 両上肢のすべての指を欠くもの

第五 両上肢のすべての指の機能に著しい障害を残すもの

第六 両下肢の機能に著しい障害を有するもの

第七 両下肢を足関節以上で欠くもの

第八 体幹の機能に座っていることができない程度又は立ち上がることができない程度の障害を有するもの

第九 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする症状が前各号と同等程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能にならしめる程度のもの

第十 精神の障害であって、前各号と同等程度以上と認められる程度のもの

第十一 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同等以上と認められる程度のもの

第一 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの

第二 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの

第三 平衡機能に著しい障害を有するもの

第四 そしゃくの機能を欠くもの

第五 音声又は言語機能に著しい障害を残すもの

第六 両上肢のおや指及び又はひとさし指又は中指を欠くもの

第七 両上肢のおや指及び又はひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有するもの

第八 一上肢の機能に著しい障害を有するもの

第九 一上肢のすべての指を欠くもの

第十 一上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの

第十一 両下肢のすべての指を欠くもの

第十二 一下肢の機能に著しい障害を有するもの

第十三 一下肢を足関節以上で欠くもの

第十四 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの

第十五 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする症状が前各号と同等程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの

第十六 精神の障害であって、前各号と同等程度以上と認められる程度のもの

第十七 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同等以上と認められる程度のもの

第一 両眼の視力の和が0.1以下に減じたもの

第二 両耳の聴力が40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの

第三 そしゃく又は言語機能に相当程度の障害を残すもの

第四 脊椎の機能に著しい障害を残すもの

第五 一上肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの

第六 一下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの

第七 長管状骨に偽関節を残し、運動関節に著しい障害を残すもの

第八 一上肢のおや指及びひとさし指を失ったもの又はおや指若しくは又はひとさし指を併せて一上肢の3指以上を失ったもの

第十 一下肢をリスフラン関節以上で失ったもの

第十一 両下肢の10趾の用を廃したもの

第十二 前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの

第十三 精神又は神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの

第十四 傷病が治らないで、身体の機能又は精神若しくは神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を有するものであって、厚生労働省令が定めるもの

ここで注目すべきは、1級に該当する障害の状態の第九、2級に該当する障害の状態の第十五、3級に該当する障害の状態の第十二です。

これらの項目により、各級について例示されている障害状態と同等程度の障害の状態であれば、どのような病気が原因の障害であっても障害年金が受給できる可能性が出てきます。