精神障害で障害年金をお考えの方へ
障害年金を受けることができる主な精神の病気
精神の障害による障害年金の請求は、国が定める障害認定基準(精神の障害)に基づいて審査が行われますが、その基準では、障害年金の対象となる精神に関する病気を以下の5グループに分類します。
Aグループの気分(感情)障害には、うつ病や躁うつ病などが含まれます。
Bの器質性精神障害には、頭部外傷、新生物、先天異常などの器質障害を原因として生じる精神障害です。
Dの知的障害は、おおむね18歳までの発達期にに生じた知的障害によって、日常生活に持続的な支障が生じているケースが該当します。
具体的に障害年金の対象となる精神に関する主な病気は次のとおりです。
上記に該当するような精神の病気で障害年金の請求ができるわけですが、それ以外の病気でも、医師が病気と認めて治療の必要があると判断した場合には、それが原因で生じた障害も障害年金の対象となります。
精神疾患で障害年金を受給するためのポイント
2016年9月から精神・知的障害による障害年金の認定基準の改正が行われました。それまでは、この分野の認定基準に関してはマニュアルすら存在しない状態で、各認定機関が独自に認定を行っていました。そのため、障害年金の認定に大きな地域差がありました。
2016年9月から適用された新基準では、診断書の内容を数値化した点数と、診断書と本人の申告から判断する生活状況の2つを総合的に勘案して、等級判定が行われます。
具体的には、診断書の裏面の左側「生活能力の判定」には(1)〜(7)項目がありますが、その各項目の点数の平均点と、診断書裏面の右側「生活能力の程度」(1段階から5段階まであります)の段階の組み合わせが、1級から3級、又は3級非該当を認定する際の参考とされます。
新基準では、診断書の裏側がどのように記載されるかが、障害年金が受給できるかできないかの判定資料の一つとされます。よって、診断書を作成する医師と連絡を密にすることによってより正確な診断書を作成してもらう必要があります。
障害年金を社会保険労務士に頼んだ方が良い理由
障害年金の請求手続きは、申請される方がご自身でもすることができます。精神の障害による障害年金の請求手続きには簡単なものから複雑なものまで、様々あります。
比較的簡単な手続きで済むものであれば、わざわざ報酬を支払って社会保険労務士に依頼する必要性は低いですから、そのケースでは請求者がご自身で行ったほうが良いでしょう。
一方、病歴や通院歴の整理が難しい、制度上の問題が生じている、不支給決定が想定される場合等には、報酬を支払ってでも、社会保険労務士に依頼したほうがよいでしょう。
いずれにしても、精神の障害による障害年金の請求手続きを自分で行うか、社会保険労務士に依頼するかは、ケースバイケースで判断していくことになります。