交通事故により複数の後遺障害が残った場合に障害年金を受給したケース

請求者

  • 男性(20代)
  • 傷病名:器質性精神障害
  • 年金種類と等級:障害厚生年金2級

ご相談時の状況

請求者様のお母様にご来所いただきました。

「息子は子供の頃の交通事故により、身体と脳に後遺症があるので障害年金を請求したい。自身で手続きを進めていたが、初診日証明が準備できない。加えて『病歴・就労状況等申立書』の作成が困難なためサポートを依頼したい。」とのご相談をお受けいたしました。

ご相談から請求までのサポート

① 初診日証明の取得

障害年金請求では初診日を確認する必要があります。(医療機関の証明『受診状況等証明書』により確認する)請求者様は、交通事故の際に受診した日が初診日となります。

ご家族の記憶を基に、受診状況等証明書(初診日証明)を作成いただける病院を探しました。

初診の病院から転院先を順番に確認いたしましたが、通院を中断されてから年数が経っており、既にカルテが破棄されていました。

→平成27年10月1日施行第3を根拠に、生命保険会社へ提出した診断書を資料として提出し、交通事故の日を初診日と申し立て、認められました。

② 診断書について

請求者様は交通事故により脳挫傷と診断され、身体と脳に後遺症があるとのことです。

1つの障害により複数の障害がある場合には、それぞれの症状について障害状態を確認したうえで、重複障害として「併合等級認定基準」を考慮する必要があります。

→請求者様のケースでは、肢体の障害、精神の障害それぞれの障害状態を確認したうえで併合認定基準に当てはめ、上位級に該当する可能性を慎重に検討しました。

③ 病歴・就労上等証明書の作成

障害年金の審査の大部分は診断書で決まりますが、「病歴・就労状況等申立書」は診断書では十分伝えられない事実を伝える書類です。

できるだけ具体的に、発病・受傷から現在までの状況を、日常生活の様子が目に見えるように、ポイントを押さえて作成する必要があります。

請求者様のお母様はご自身の記憶から詳細な申立書を作成されておられましたが、事故直後の看病の大変さなど、感情を基にした記述が多くみられました。

→年月日順に自覚症状、日常生活の状況や就労状況、日常生活で家族の支援を受けている場合はその状況を具体的に、明確に記入していくことが大切です。必要な事柄をヒアリングし、請求者様やご家族様と協議を重ねたうえで、事実を明確に記述いたしました。

結果

  • 障害基礎年金2級、決定(令和2年4月分から781,700円)

請求を終えて

  • 今回は受診状況等証明書(初診日証明)を取得することができないケースでした。本文中に記述した「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて」を読み込み、利用することで請求者の申立て日を初診日と認められました。
  • また、今回は1つの傷病(脳挫傷)により複数の障害が残ったケースでした。それぞれの障害の程度から、併合した後の障害の程度を判断する必要があります。併合する障害の種類によっては複数の診断書を提出する必要があり、併合した際も上位等級に該当しない場合がありますので、専門的な判断が必要です。
  • 「病歴・就労状況等申立書」の記入ポイントにつきましては、弊所のブログ「病歴・就労状況等申立書」の書き方について、をご一読いただければと思います。
  • 請求手続きでお困りの際は専門家にご相談ください。