神経系統の障害

神経系統の障害については、その症状のために普段の日常生活や労働を行うことが、どの程度難しい状態であるのかによって判断されます。
障害等級は1級、2級、3級、障害手当金の4種類の等級に分けられています。

障害年金が受給できるかどうかの認定基準は下記のとおりです。

神経系統の障害における障害年金の等級と障害の状態

障害等級1級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
障害等級2級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
障害等級3級
身体の機能・神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
障害手当金
身体の機能・神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの

障害等級1級の認定基準

「日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの」とは、他人の助けがなければ日常生活に必要な動作を1人では行うことができない状態をいいます。

障害等級2級の認定基準

「日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とは、他人の助けが常に必要というわけではないものの、日常生活を1人で行うことや就業して収入を得ることが非常に難しい状態をいいます。

障害等級3級および障害手当金の認定基準

ズキズキと神経がうずくように痛む疼痛(とうつう)は、原則として認定の対象になりません。
しかし手足その他の神経を損傷したことによって生じる灼熱痛、脳神経や脊髄神経の外傷による神経痛、悪性新生物(がん)の発症に伴う疼痛、糖尿病性神経障害による激痛等の場合は、その発作の頻度や痛みの強さ、持続する時間等によって、常に働くことに支障があると認められる場合には障害等級3級として認定されます。
また、一般的な労働能力はあるもの、疼痛によって、不定期に働くことが出来なくなり、選べる仕事が制限されているような状態にある場合には、障害手当金に該当します。

神経系統の障害における障害認定日

初診日より1年6ヵ月経過した日とされている障害認定日において、 神経系統の障害により、次のいずれかに該当している場合には、初診日から1年6ヵ月経過した日以前であっても障害認定日として扱われます。

  • 脳血管障害により機能障害を残しているときには、初診日から6ヵ月経過した日以後に、医学的観点からそれ以上の機能回復がほとんど望めないと認められるとき。
  • 現在の医学では、根本的治療方法がない疾病であり、今後の回復は期待できず、初診日から6カ月経過した日以後において気管切開下での人工呼吸器(レスピレーター)使用、
    胃ろう等の恒久的な措置が行われており、日常の用を弁ずることができない状態であると認められるとき。

他の障害との関係

脳の器質障害については、神経系統の障害と抑うつや不安、意欲低下等の精神の障害を区別して考えることは、様々な臨床症状から不可能であるため、 原則としてそれらの症状の全体像から総合的に判断して認定されます。
また、体幹の機能障害である脊柱の運動機能障害が伴うような場合においては、神経系統の障害も含めて総合的に認定されます。