全身性エリテマトーデスで障害基礎年金2級を受給できた事例

ご相談者

女性(30代)

傷病名

  • 全身性エリテマトーデス

年金種類と等級

  • 障害基礎年金2級

ご相談時の状況

  • 「難病の初診日が不明。手続き方法を知りたい」との相談をお受けしました。

請求のポイント

1 病歴の確認

ヒアリングにより現在の障害の状態を確認いたしました。

  • 光がにじんで見える等の症状があり、眼科を受診。視神経炎が疑われ精査指示を受けた。
  • 総合病院で精査。異常所見なし。
  • 複数科を受診した後、皮膚科で確定診断。

2 難病の初診日について

  • 障害年金認定基準に、初診日とは「障害の原因となった傷病につき、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日」と記述されています。
  • 請求傷病「全身性エリテマトーデス」は「全身性炎症性病変を特徴とする自己免疫疾患(参考:難病情報センター、ホームページより要約)」と説明されています。
  • 眼の症状で受診した日を初診日と申し立てる方針で手続きを進め、眼科で「受診状況等証明書」を取得しました。
  • 眼の症状と全身性エリテマトーデスに相当因果関係(前の病気または怪我がなかったら後の病気は起こらなかっただろう、という考え方)がないと判断された場合には、後の受診日(例えば確定診断を行った病院の初診日など)を請求傷病の初診日とされる場合があります。
  • 確定診断を受けた病院の「受診状況等証明書」を取得し、記載内容を確認しました。

3 診断書

  • お伺いした請求者様の症状から「肢体の障害用」「その他の障害用」の診断書を主治医に作成いただきました。
  • 診断書に書かれた症状について、それぞれが障害年金および総合認定の対象となるかを検討しました。

4 病歴・就労状況等申立

  • 初診から確定診断に至るまでに複数の病院や診療科の受診がありましたので、時系列順にまとめました。
  • 障害認定基準に「いわゆる難病については、(中略)その認定にあたり、客観的所見に基づいた日常生活能力等の程度を十分考慮して総合的に認定するものとする。」と示されています。
    請求者様とご家族様が、請求傷病に関連しているとお考えになっている症状と日常生活状況について詳細をお伺いし、日常で支障をきたす動作を申し出ました。

結果

障害基礎年金2級(年間約79万円)認定

請求を終えて

今回は、確定診断以前の受診が、難病の初診日として認められるかの検討が必要なケースでした。

障害年金請求に係る初診日は、日本年金機構の確認をうけて決定されます。

取得した医証の記述内容をもとに、相当因果関係の有無について検討しました。申し出た初診日が認められました。

1つの傷病で複数の症状が現れるケースでは、障害の状態を表現できる診断書を選択することが大切です。診断された複数の症状を総合的に認定されたことが受給につながったのではないかと考えています。

専門的な判断を要するケースでは、障害年金専門の社会保険労務士にご相談いただければと思います。