大腸がん、肝臓がん(肝転移)で障害厚生年金3級を受給できたケース

ご相談者

  • 男性50代
  • 傷病名:大腸がん、多発肝転移
  • 年金種類と等級:障害厚生年金3級
  • 決定年金額 年額約66万円

ご相談時の状況

請求者ご本人にご来所いただき、これまでの経緯を詳細にお伺いしました。
会社員でいらした約2年前から胃腸症状(胃痛、胃のむかつき)や消化器症状(下痢便秘)、背中や腰の痛みを自覚されたため、近医を受診されました。
次いで総合病院を紹介受診、確定診断となり、直腸切除術施行、その後、肝転移が確認されたということです。
その後は入退院を繰り返しながら、化学療法を施行中。これらの治療に伴い、全体的に体力低下、食欲不振、吐き気、倦怠感が続き、現在は長期休業中でいらっしゃるとのこと。

  1. 傷病手当金を受給しているため、どのタイミングで障害年金の請求手続きをしたらよいか
  2. 社労士に依頼した場合に、自身は何をすればよいのか
  3. そもそも、障害年金受給できそうなのか

といった疑問を抱えていらっしゃいました。

1 について
「傷病手当金」と「障害年金」は、重複して受給することができません。併給調整が行われます。
詳しくは、弊所ブログ↓でも解説しておりますので、ぜひご覧ください。
https://shougainenkin-net.com/blog/injury-and-disability/

傷病手当金を受給していて、その手当金額が障害年金の額より多い場合は、障害年金を受給しても健康保険制度に重複分を返金する必要があります。傷病手当金の受給が終わる頃にうまく障害年金を受給し始められるよう、タイミングを見計らうことが得策とも言えますが、障害年金の請求には「診断書」の提出が必要です。ご病気の症状は刻一刻と変動していくと思われますので、どのタイミングで障害年金を請求するのが合理的な選択となるのかは、依頼者様ごとに異なります。このような場合には、社労士に相談されると良いかと思います。

2 について
社労士に(障害年金の手続きを)依頼した場合、自身は何をすればいいか、ですが、基本的には、これまでとおり、主治医の指示に従って受診、治療に専念して頂ければ結構です。依頼者様のご負担を極力軽減すべく、現在通院されていない医療機関への文書依頼や事務作業、年金事務所とのやり取りに関しては弊所で行うようにしております。ただし、医療機関によっては、患者様以外からの問い合わせや文書依頼はお断り、という場合があり、こういったケースでは、依頼者様に動いていただく必要があります。

3 について
そもそも、現在の症状で障害年金を受給できそうなのか、といったお問い合わせは、よく頂きます。ご存じのとおり、障害年金の審査は、診断書をはじめとする書類審査によるため、口頭でお伝えいただく症状のみでは、受給の可能性を判断することはできかねます。ただし、相談の段階で、その方の発病から現在までのご経緯、治療内容、就労状況などをお伺いし、これらの情報を包括的に捉えて、ある程度の見通しをお話しさせて頂くことは可能です。

相談から請求までのサポート

◆初診日の確定

症状が出始めて、初めて受診された開業医に依頼し、「受診状況等証明書」を取得しました。医療機関側が、代理人からの書類作成に応じて頂ける場合には、弊所より書類作成依頼、文書料の立て替え払い、郵送での書類の受領を代行いたします。

◆障害認定日時点での診断書作成依頼

医師への診断書作成依頼状、ご自宅での現況をお伝えする別紙を作成し、依頼者様から医療機関に診断書作成を依頼して頂きました。この医療機関は、代理人による文書受付や受領は一切お受けいただけないと確認したため、ご本人様にて「依頼~文書料の支払~診断書の受領」の一連の手続きを行っていただきました。 完成した診断書を、社労士が拝見し、記載内容に誤りや抜けがないか確認しました。このケースでは、日付の記載誤りが1か所、もう少し詳しくお書き頂いた方が審査に有利になる点があり、そのご加筆を1点、添付して頂きたい検査(画像データ)がありましたので、その添付を1点、合計3点について、主治医先生に丁寧にお願いし、ご対応頂きました。

【社労士に依頼するメリットとは?】

ご自身で年金事務所に出向き、障害年金請求方法の案内を受け、ご自身で請求手続きを進めることも可能です。
社労士に手続きを依頼されるメリットは様々です。
本ケースでは、傷病手当金を受給中であったことから、障害年金請求手続きのタイミングは社労士からアドバイスを差し上げ、これに従って手続きを進めたため、傷病手当金、障害年金をうまくリレーさせる形での受給が叶いました。
請求手続きに少しでもご不安を感じられる方は、障害年金専門社労士への依頼をご検討されてみてはいかがでしょうか

結果

障害厚生年金3級(年間約66万円)認定