1型糖尿病で障害厚生年金3級を受給できたケース②

ご相談者

  • Cさん(30代男性)
  • 傷病名:1型糖尿病
  • 年金種類と等級:障害厚生年金3級
  • 決定年金額 年額約58万円

ご相談時の状況

請求者ご本人にご来所いただきました。

7, 8年前から顕著な体重減少、のどの渇き、多尿を自覚されたため、ご自身で糖尿病を疑い、糖尿病クリニックを受診されました。

1型糖尿病と診断され、すぐにインスリン治療を開始。就労は継続されていますが、これまでに何回か重症低血糖により救急搬送されているとのことです。

ネット検索で糖尿病で障害年金を受給できると知ったため、ご自身の症状で受給の見込みがあるのか、受給できる可能性がありそうであれば、就労していて忙しいので、障害年金請求の手続き代行をしてほしい、と弊所の無料相談にお越し頂きました。

  1. ①どの程度の症状であれば糖尿病で障害年金を受給できるのか
  2. ②社労士に依頼した場合に、自身は何をすればよいのか
  3. ③自身の症状で障害年金の受給が出来そうか

といった疑問を抱えていらっしゃいました。

①について

平成28年6月1日より代謝疾患(糖尿病)の障害認定基準が一部改正されています。

日本年金機構HPをご覧ください。

詳しくは、弊所ブログでも解説しておりますので、ぜひご覧ください。

②について

社労士に(障害年金の手続きを)依頼した場合、自身は何をすればいいか、ですが、基本的には、これまでとおり、主治医の指示に従って受診、治療に専念して頂ければ結構です。

依頼者様のご負担を極力軽減すべく、現在通院されていない医療機関への文書依頼や事務作業、年金事務所とのやり取りに関しては弊所で行うようにしております。

ただし、医療機関によっては、患者様以外からの問い合わせや文書依頼はお断り、という場合があり、こういったケースでは、依頼者様に動いていただく必要があります。

今回ご依頼いただいたCさんは、最初から1箇所のクリニックで治療をされていたため、初診日を証明する「受診状況等証明書」の取得は不要でした。

年金請求に必要な診断書の作成依頼は、弊所で診断書作成依頼文書を作成した上、ご本人様に定期受診の際にクリニックに持参して頂き、作成依頼とする流れと致しました。

③について

そもそも、現在の症状で障害年金を受給できそうなのか、といったお問い合わせは、よく頂きます。ご存じのとおり、障害年金の審査は、診断書をはじめとする書類審査によるため、口頭でお伝えいただく症状のみでは、受給の可能性を判断することはできかねます。

糖尿病に代表される代謝疾患の場合には、主に、検査数値が障害認定基準に定められた障害等級に該当しているか否かによって受給の可否が決まります。

弊所でご依頼をお受けする際には、相談者様がこういった以上数値の枠内であるかどうかをお伺いしてからご契約させて頂きます。

手続きを進めたとしても、検査数値だけは如何ともし難いものですので、この点について、事前に主治医先生へしっかりご確認いただいた上、ご依頼をお受けしております。

サポート内容

◆障害認定日時点での診断書作成依頼

医師への診断書作成依頼状、ご自宅での現況をお伝えする別紙を作成し、依頼者様から医療機関に診断書作成を依頼して頂きました。

完成した診断書を、社労士が拝見し、記載内容に誤りや抜けがないか確認しました。

このケースでは、検査数値を記載すべき欄での抜け落ちが1か所ありましたので、そのご加筆について、弊所よりご説明文書をクリニック様あてにお送りし、ご対応頂きました。

障害年金請求用の診断書の作成ご経験は、クリニック様によってまちまちであり、障害年金用の診断書ご作成に慣れていらっしゃらないお医者様も見えます。

障害年金の初回請求はとても大切なものです。事後に記載間違いや抜け落ちが判明しても、簡単に手続きをやり直せるものではありません。

出来上がってきた診断書を手にされた際に、「このまま年金事務所に提出してよいものかどうか」の判断ができることは、社労士に依頼される最大のメリットと言えるでしょう。

Cさんの場合は、初診日から1年6か月後の障害認定日時点の診断書を1枚、現在のご症状を表わす診断書を1枚、合計2枚の診断書を主治医先生にご作成頂き、相談ご来所から3か月後に、裁定請求書一式を年金事務所窓口に提出致しました。

◆審査結果

障害認定日以後、重症低血糖での救急搬送が複数回あったことについて、2枚の診断書にそれぞれ記載されていたのですが、認定日請求については、わずかに障害認定基準に達していない検査数値であったため、 障害認定日での年金請求は不支給、事後重症請求分のみ障害厚生年金3級に認定される結果となりました。

社労士に依頼するメリットとは?

ご自身で年金事務所に出向き、障害年金請求方法の案内を受け、ご自身で請求手続きを進めることも可能です。

社労士に手続きを依頼されるメリットは様々です。

本手続きでは、出来上がってきた診断書を日本年金機構に提出する前に、記載漏れがあることを担当社労士が発見し、クリニック様に加筆頂いた後請求手続きに進むことができました。

診断書等、医証の中身の細かな部分まで、年金事務所の年金請求受付の段階で指摘してもらえるわけではありません。

医証に記載の抜け落ちや記載誤りがあった場合には、その不利益は、全て請求者様ご本人に降りかかることになります。

請求手続きに少しでもご不安を感じられる方は、障害年金専門社労士への依頼をご検討されてみてはいかがでしょうか。

結果

障害厚生年金3級(年間約58万円)認定