ペースメーカーを装着後、フルタイム勤務でも障害年金2級認定されたケース
ご相談者
男性(40代)
障害の種類
- 洞不全症候群によるペースメーカー装着
発育歴・治療歴
- 半年ほど前に、職場でパソコンを操作中に気分が悪くなり、突然気を失う
- 大学病院を受診し検査の結果、洞不全症候群と診断され、ペースメーカー植え込み手術を行なう
- ペースメーカー装着後は、以前のように激しい運動ができなくなったが、職場復帰しフルタイム勤務に戻った
- 現在も原因不明の失神が発生している
- 大学卒業後、現在まで厚生年金に加入中
ご相談の内容

ペースメーカー装着の場合は3級に認定されると聞いたが、病院で取得した診断書の「一般状態区分表」で「ア 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの」が選択されているが、この場合3級に認定されないのではないかと不安...
ペースメーカーは装着しただけで3級と認定されます(装着した日が障害認定日となります)。以下が難治性不整脈の認定基準です。
障害の程度 | 障害の状態 |
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1 級 | 病状(障害)が重篤で安静時においても、常時心不全の症状(NYHA 心機能分類クラスⅣ)を有し、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの |
2 級 |
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3 級 |
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異常検査所見
区分 | |
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A | 安静時の心電図において、0.2mV以上のSTの低下もしくは0.5mV以上の深い陰性T波(AVR誘導を除く。)の所見のあるもの |
B | 負荷心電図(6Mets 未満相当)等で明らかな心筋虚血所見があるもの |
C | 胸部X線上で心胸郭係数60%以上又は明らかな肺静脈性うっ血所見や間質性肺水腫のあるもの |
D | 心エコー図で中等度以上の左室肥大と心拡大、弁膜症、収縮能の低下、拡張能の制限、先天性異常のあるもの |
E | 心電図で、重症な頻脈性又は徐脈性不整脈所見のあるもの |
F | 左室駆出率(EF)40%以下のもの |
G | BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が200pg/ml 相当を超えるもの |
H | 重症冠動脈狭窄病変で左主幹部に50%以上の狭窄、あるいは、3 本の主要冠動脈に75%以上の狭窄を認めるもの |
I | 心電図で陳旧性心筋梗塞所見があり、かつ、今日まで狭心症状を有するもの |
一般状態区分表
区分 | 一般状態 |
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ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など |
ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
ご相談者は認定基準についてもよく調べられていて、上記認定基準3級の障害の状態1と2について、いずれかに該当していれば3級に認定されるのか、両方に該当しなければ3級と認定されないのかというご質問でした。
回答として、両方ではなく、いずれかに該当していれば3級に認定されます。
3級ではなく、2級の可能性があるか?
ペースメーカー装着に関しては、以下のようなケースで2級と認定された事例があります。
- 洞不全症候群によりペースメーカーを装着
- 毎日のように心房細動による頻脈がある(ホルター心電図で180拍/分)
- 就労できない状態が続いている
- 内服コントロール困難
- 診断書の一般状態区分表はウ
この事例では、上記認定基準2級の「1異常検査所見のEがあり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの」に当たり、2級と認定されました。
ご相談をお受けして
ペースメーカー装着では3級とされていますが、装着後、異常検査所見がある場合には2級となることがあります。また、ペースメーカーの装着がなくても3級、2級となるケースもあります。ペースメーカー装着だけではなく、異常検査所見、一般状態区分表を十分に確認することも重要です。