クローン病で障害厚生年金3級を受給できた事例

ご相談者

  • 男性(30代)
  • 傷病名:クローン病
  • 年金種類と等級:障害厚生年金3級

相談時の状況

クローン病イメージ

弊所の「オンライン相談」をご利用になり、PC越しでこれまでの経緯をお伺いしました。

  • 学生時代、肛門周囲に腫瘍ができ、総合病院を受診したところ、クローン病の疑いと診断され、手術、投薬、経過観察をしていた事がある。
  • 快方に向かったため、約2年で治療中断した。
  • その後は、一般企業に就職し、約8年の間、何事もなく経過し、通常就労を継続していた。
  • 約2年前の厚生年金加入期間中に倦怠感、下腹部の痛みと違和感、下痢が続くようになり、受診したところ、クローン病と診断され、即入院治療を行った。
  • 退院後も1か月に1度は通院し、経過観察および投薬を継続した。
  • 発病後、仕事は休職していたが、現在は在宅短時間勤務に労働条件を変更し、就労を継続している。
  • 強い倦怠感と軟便により、自宅内で療養を継続中。
  • 学生時代(国民年金加入中)にクローン病の疑いで治療歴があるが、障害厚生年金3級を受給できる見込みがあるか、とのご相談でした。

相談から請求までのサポート

相談者様の請求疾病:クローン病の「初診日」と考えられる日は、

  • 学生時代(国民年金ご加入中)・・・疾病の疑いが指摘されるに至った初診日
  • 2年前(厚生年金ご加入中)・・・確定診断が下りるに至った初診日

の2パターンが考えられました。
相談者様の現在の症状をお聞かせいただきましたが、障害等級3級に該当する可能性が高いと考え、本請求においては、障害厚生年金の請求でない限り受給が難しいとの判断に至りました。

よって、約2年前に確定診断が下りた際の初診日を、本請求における初診日として申し立てる方針といたしました。

請求におけるポイント

以下の点を強く主張し、初診日の申し立てを行いました。

  • 学生時代の受診時には、確定診断が下りていないこと
  • 社会人となり会社に採用された際に受けた、入社時健康診断の結果票の写しを添付し、健康体であったことを主張
  • 約2年の治療の後は、何ら問題なく約8年にわたり通常就労が継続できていたこと

請求におけるポイント

障害厚生年金3級(年間約58万円)に決定

請求におけるポイント

今回の請求は、初診日を厚生年金加入期間中に認められることが受給の条件でした。

学生時代に「疑い」として診断、治療を受けられた経緯を全て明らかにした上で、約8年間の無症状期間を「社会的治癒」期間として申し立て、無事、確定診断の初診日を本請求の初診日として認めてもらうことができた事例です。

相談者様おひとりでは請求の方法に不安があるケースこそ、迷わず専門家にお任せいただくことが大切です。
受給決定後は、今までのご不安から一転し、ほっとされたご様子で、私たちも大変嬉しく感じました。