リウマチで障害基礎年金1級を受給できたケース

ご相談者

  • 女性(40代)
  • 傷病名:リウマチ
  • 年金種類と等級:障害基礎年金1級
  • 支給月から更新月までの支給総額:約292万円

相談時の状況

  • ご本人に相談にお越しいただきました。
  • 22年ほど前に左手人差し指のしびれが気になり、接骨院で柔道整復師に相談されました。その時は他に気になるところもなく、特に問題ないと言われたとのことでした。
  • その後、出産、育児をされていましたが、17年ほど前から身体の痛みを感じるようになり、初めて整形外科を受診されました。その後、リウマチと診断され、内服治療を開始されました。
  • しかし、その後、リウマチの症状が悪化、痛みが強く、日常生活に大きな支障が生じるようになりました。
  • 2年前に自身で障害年金を申請されましたが、初診日が認められないため、却下決定となったとのことでした。
  • もう一度申請したいがどうしたらよいかとの相談でした。自身で申請されたときの提出書類のコピーをお持ちいただきましたので、問題点を探ることにしました。

相談から請求までのサポート

  • 自身で申請された書類の中に、22年前の接骨院についての「受診状況等証明書が添付できない申立書」、17年前の整形外科についての「受診状況等証明書が添付できない申立書」がありました。
  • 接骨院でも整形外科でもカルテ等が残っていないため「受診状況等証明書」が取れず、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を提出されたとのことでした。
  • しかし、この書類が問題でした。

① 22年前に接骨院に行った時の「受診状況等証明書が添付できない申立書」

先ず、22年前に接骨院に行かれた日を仮に初診日として保険料納付要件を見た場合、受給要件を満たしておられませんでした。

しかし、国民年金法第30条および厚生年金保険法第47条では、「初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において・・・(以下省略)」と定められています。つまり、初診日は医師又は歯科医師に初めて診てもらった日となり、柔道整復師は含まれません。

この「受診状況等証明書が添付できない申立書」を見ると、傷病名は「関節痛」、医療機関名と所在地は「不明」、受診期間は22年前の日付が記載されていました。これでは接骨院で柔道整復師に相談したことは分かりません。

審査側は22年前に関節痛で医療機関を受診したのではないかと疑うことになります。年金事務所で22年前に接骨院に行ったことを話したところ、この申立書を提出するように言われたとのことでしたが、提出は不要でした。

② 17年前に整形外科を受診した時の「受診状況等証明書が添付できない申立書」

17年前に整形外科を受診された日を初診日として保険料納付要件を見た場合、受給要件を満たしておられました。よって、この初診日が認定されれば問題はありません。

「受診状況等証明書が添付できない申立書」に第三者証明(友人とリハビリ助手の証明)は添付されていたものの、同時に前記①の申立書を提出されていることもあり、初診日を証明する資料としては不十分でした。そこで、初診日を証明できる情報をいろいろな角度から調べ直すことにしました。

先ず、ご本人と一緒に17年前に受診された整形外科に行きました。当時の主治医先生がおられたので事情を話したところ、「初診日はカルテ破棄のため不明だが、終診日はPCに残っているかもしれない」と調べて下さいました。

先生のご協力で、初診日の記載は無いものの、「終診日」と「当時の診療録がない為初診日が記載できない」と記載された「受診状況等証明書」を取得することができました。

しかし、これだけでは初診日を証明できません。

ご本人と一緒に何か初診日を証明できるものがないか、時間をかけて考えました。当時の状況を知っていそうな方には全て聞いてみました。しかし、なかなか有力な情報は出て来ませんでした。

しばらくして、ご本人が、受診したのは近所に新しく開院したばかりの整形外科だったことを思い出されました。そこで、整形外科の医療機関指定年月日を調べたところ、指定年月日と初診日が近いことが分かりました。これで、少し初診証明に近付けました。

しかし、まだ足りない、どうしたものか...

その時に、ご本人が倉庫に育児日記が残っていることを思い出されました。日記を隅から隅まで見たところ、数箇所にリウマチで整形外科を受診したことや服薬についての記載がありました。
「○月○日(曜日)くもり 病気になってごめんね。いつか○○に迷惑かけてしまうのか…でもママは○○がいてくれて感謝しています。」
というような内容でした。

さらに、整形外科を受診される前の、元気だった頃の(年月日が入った)古い写真を探していただきました。

上記

  • 「第三者証明」
  • 「受診状況等証明書(初診日記載なし)」
  • 「医療機関指定年月日一覧」「育児日記」
  • 「写真(複数枚、年月日入り)」
を「受診状況等証明書が添付できない申立書」の参考資料として添付したところ、無事、初診日が認められました。

結果

障害基礎年金1級(年間約97万円)認定

請求を終えて

  • 受給が決定し、ご本人は泣いておられました。当方も本当に嬉しく、このような仕事をさせていただけるのは幸せなことだと心から感謝しました。