脳梗塞による右片麻痺での審査請求で3級から2級に変更されたケース

ご相談者

  • 男性(50代)
  • 傷病名:脳梗塞
  • 年金種類と等級:障害厚生年金3級から2級に処分変更
  • 支給月から更新月までの支給総額:292万円

相談時の状況

  • 脳梗塞による右片麻痺の障害をお持ちで、利き側である右手が全く機能しなくなり、左手のみで生活されていました。左手で字を書く練習をされているなど、日常生活は非常に不自由で、歩行は屋内の杖歩行は可能、屋外では常時車椅子か四点杖がないと困難という状態でした。
  • 障害年金裁定請求の手続きを依頼いただき、当事務所で申請を行った結果、障害年金3級との審査結果となりました。
  • 当事務所では診断書と障害認定基準等を照らし、2級に認定されると予測していましたので、審査結果に到底納得することができず、審査請求を行なうべきと考えました。
  • ご本人にその旨お話したところ、「3級でも受給できてありがたいと思っているが、専門家がそのように判断するのなら全てお任せします。」と委任いただけることになりました。

相談から請求までのサポート

国が決定したことだから審査請求(不服申立)をしても認められることはないだろうという考えは特に障害年金においては誤りです。この方の審査請求でも、申し立てが認められ3級から2級に処分変更されました。取得できるはずの権利が否定された場合には、最後まで諦めずに言うべきことを言うことも必要です。

この方の審査請求では、診断書から障害状態のポイントを拾い出し、障害年金認定基準にあてはめ、審査請求書を作成しました。申し立てた内容は大体以下の通りです。

「障害認定基準」では、肢体の障害の程度は、「上肢の障害」、「下肢の障害」、「体幹・脊柱の機能の障害」および「肢体の機能の障害」に区分し認定するとしています。裁定請求で提出した診断書(肢体の障害用)には、脳梗塞とする広範囲にわたる右片麻痺であることが記載されていました。

また、「関節可動域及び筋力」における筋力の記載では、上肢においては肩関節から手関節まで左が全て「正常」であるのに対し、右は全て「著減」とされていました。同様に下肢においては、股関節から膝関節まで左が全て「正常」であるのに対し、右股関節および右膝関節は「やや減」、右足関節は「著減」とされていました。このことから、上肢と下肢の障害の状態が相違し、下肢より上肢の状態が重い障害であることが明らかです。

「障害認定基準」では、脳梗塞などによる肢体の障害が上肢及び下肢などの広範囲にわたる場合には、「肢体の機能の障害が上肢及び下肢の広範囲にわたる場合であって、上肢と下肢の障害の状態が相違する場合には、障害の重い肢で障害の程度を判断し、認定すること。」としています。よって、この方の場合は上肢で障害の程度を判断することになります。

診断書によると、右上肢は全く用を廃している状態とされていることから、障害認定基準2級の「一上肢の機能に著しい障害を有するもの」すなわち「一上肢の用を全く廃したもの」に相当します。よって2級に認定されるべきです。

審査請求でこの申し立てが認められ、無事3級から2級に等級が変更されました。これにより、受給できる障害年金は年額78万円ほど増え、ご本人にも大変喜んでいただきました。何より、正当な決定に導けたことは、専門家として大変嬉しく思います。

結果

障害厚生年金2級(年間約146万円)に処分変更