「アスペルガー症候群」により障害厚生年金3級を受給できた事例

ご相談者

  • 女性(30代)
  • 傷病名:アスペルガー症候群
  • 年金種類と等級:障害厚生年金3級

相談時の状況

  • 請求者様にご来所いただき「うつ病で受診したが、現在は発達障害と診断されている。初診日について知りたい」との相談をお受けいたしました。
  • 現在は生活意欲がわかず、倦怠感から横になって過ごすことが多い。
  • 感覚過敏の症状が強く、外出を避けている。

サポート内容

① 初診日の特定

  • 請求者様の受診歴を確認いたしました。
  • 就職後、職場の人間関係に悩みストレスから体調を崩した。
  • メンタルクリニックを受診し、身体表現性障害の診断を受けた。
  • 服薬治療を継続しても症状が回復しない為、ネットの情報から自身の発達障害を疑った。
  • 発達障害に詳しい医療機関に転院し、アスペルガー症候群の診断を受けた。
  • 請求者様の受診状況等証明書を取得し、初診日頃の診断名と症状を確認いたしました。
    →診断書の記載内容
     診断名:「身体表現性障害」※ICD-10(国際疾病分類)では神経性障害
     症状 :「腹痛、下痢、不安・抑うつの症状を認める」
  • 障害認定基準には「神経症にあっては、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として、認定の対象とならない。ただし、その臨床症状から判断して精神病能病態を示しているものについては、統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱う。」と記載されています。
  • 精神障害では、受診時の症状により診断名が変わることがあります。診断根拠となる客観的基準がないため、障害年金請求では診断名が異なっても同一傷病として取り扱われる例があります。
    →主治医へ診断書作成を依頼する際には上記の受診状況等証明書を添付しました。
     診断書記載内容から、身体表現性障害と診断されたメンタルクリニック受診日を障害年金請求の際の初診日と特定し、アスペルガー症候群による障害年金を請求しました。

② 認定日請求

  • 初診日から1年6ヶ月経過した日を障害認定日として請求いたしました。
  • 診断書は、障害認定日以後3ヶ月以内の症状が示されたものを提出いたしました。

③ 診断書作成依頼

  • 請求者様は、子供の頃から他者との交流が困難なことから、初診日頃から現在まで不安や抑うつ症状が継続しています。
  • 発達障害とうつ病の併存について検討しました。
  • 精神疾患で複数の症状が併存する場合、認定基準では「諸症状を総合的に判断して認定する」と記載されています。
  • 相談時にヒアリングした日常生活の困難さについて、具体的なエピソードを交えた参考資料を主治医に提出し、うつ状態と感覚過敏の症状について、請求者様の日常生活能力、労働能力の各欄に反映していただきました。

結果

障害厚生年金3級(年間約58万円)認定