保険料納付要件を満たしていません。障害年金請求は不可能でしょうか?

ご相談者

女性(20代)

障害の種類

  • うつ病

状況

  • 本人が高校2年生の頃、試験勉強・部活などで疲労が蓄積し、睡眠不足から起床できなくなった。
  • 無表情で口数が減ったことを家族も認識していたが、思春期特有のものと考え干渉しなかった。
  • 現在、精神障害者手帳2級

ご相談の内容

うつ病で通院中の女性のお母さまから、「年金事務所では、保険料納付要件を満たしていないため請求できない、と言われた。障害年金を請求することは不可能なのでしょうか。」との相談をお受けしました。

1 相談者様からお伺い(ヒアリング)した内容は下記の通りでした。

  • 初診から現在まで同じメンタルクリニックに通院しており、初診日は明確。(20歳6カ月の頃)
  • 20歳到達時、日本年金機構からの案内(保険料納付書類等)を確認しておらず、保険料未納。
  • 保険料未納を知った時(初診日後)、すぐに納付。

相談者様は、年金保険料の受領証を保管しておられましたので、初診日に未納状態だったことはご存知でした。しかし、未納となっていた保険料を遡って納付(追納)したことにより、年金請求可能、と認識されておられました。

2 障害年金を請求する場合、下記の3つの要件を満たす必要があることを説明しました。

1. 初診日が年金加入期間中にあること(加入要件)
2. 初診日の前日に保険料納付の基準※を満たしていること(納付要件)
3. 障害認定日に障害の状態であること(障害の程度要件)

※保険料納付の基準
原則:初診日の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間が、納付または免除
特例:初診日の前々月までの1年間に保険料の未納がない

年金納付記録を拝見する限り、請求者様が認識されていらっしゃる初診日を基にした障害年金請求は不可能との見解をお伝えいたしました。

3 メンタルクリニック受診前に、内科などの受診がないかをお尋ねしました。

精神障害の初診日については診断名が異なっていても、同一傷病と取り扱われるケースがあります。同一傷病と取り扱われた場合は、最も古い受診日が「初診日」となります。

内科など、他の科を受診したときの診断や治療内容、処方薬、症状に係る本人の訴えた内容から、請求する傷病と同一疾病と認められる可能性があるとお伝えしました。

その上で、家族がいつもと違う本人の様子に気付いた高校2年生頃に、不眠や疲れによる体調不良などの症状で受診されていないかをお尋ねしました。
このケースでは、現在の診断名(うつ病)につながる症状での受診日(高校2年生頃、20歳前)を現在の傷病の初診日と申し立てる請求方法についてご提案いたしました。

20歳前に初診日がある傷病は、障害年金請求で保険料納付要件を問われません。

ご相談者様は「本人に確認してみる」とおっしゃっていました。

相談を終えて

  • 障害年金は要件を満たしていない場合には請求できません。
  • 今回のケースでは、初診日が変更になる可能性を検討しました。
    ※初診日は日本年金機構の確認を受けますので、申し立てた日が初診日とされるものではありません。
  • 後日、相談者様から「本人に受診の記憶がない」との連絡をいただきましたため、請求手続きに至りませんでした。
  • 障害年金請求における初診日は、様々な考え方があります。請求手続きでお困りの際は専門家にご相談ください。