糖尿病
障害年金認定基準を満たしていない場合の今後のアドバイス
糖尿病の障害年金認定基準についてのご相談
ご相談者
女性(48歳)
障害の種類
- 糖尿病(2型)
状況(発育歴・治療歴)
- 数年前から、体がだるく、極度に疲れを感じるようになった。のどの渇き、頻尿、目が乾燥して夕方からは眼精疲労を感じた。これらは加齢によるものと思い込み、特に受診はしていなかった。
- 数か月前に受けた職場(厚生年金加入中)の健康診断の結果、糖尿病の疑いを指摘され、近医受診を経て総合病院を受診、診断確定される。
- その後、体調不良もあり勤務先は退職。
ご相談の内容
ネットで、「糖尿病で障害年金が受給可能」と情報を得たが、自身も対象にならないか、とのご相談でした。
現状は経口薬のみの処方で月に一度の受診であるが、障害年金がもらえるのか、この先体調が悪化していった場合、どのようにしたら障害年金の請求ができるか不安を感じていらっしゃいました。
障害年金は病気やケガによる障害のため、労働や日常生活に支障がある場合に支給される年金です。
また、申請には障害等級に該当することと共に、保険料を納めていること、初診日が国民年金または厚生年金の被保険者であることなどが要件として挙げられます。(例外を除く)
障害等級に該当するかどうかは、診断書の内容および病歴就労状況申立書の内容を審査し、日本年金機構の認定医によって判断されます。
どの程度で該当するのか、という質問については、障害認定基準に沿ってご説明させていただきました。
相談者様の場合、近医での受診日が障害年金請求上の「初診日」となり、厚生年金加入中でした。しかしご相談日現在、この初診日から2カ月経過したところであり、まだ障害認定日(初診日から1年6か月)を迎えていませんでした。また、現状糖尿病による障害認定基準(3級)の条件の一つにある「90日以上継続して必要なインスリン治療を行っている」にも該当しない状況でした。
糖尿病は、発症の日から長年症状が続くケースが多くみられます。この先不本意にも状態が悪化され障害認定基準に近い症状となられた場合は受給の可能性が考えられます。いざというときに迅速に障害年金請求が行えるよう、今の段階から通院歴、検査結果データ、お薬手帳、診察券等を適切に管理されることをお勧め致しました。
糖尿病の認定基準
以下のものを血糖コントロールが困難なものとし、障害等級3級と認定することとなりました。(平成28年6月1日 障害年金認定基準一部改正による)
【STEP1】
検査日より前に、90日以上継続して必要なインスリン治療を行っていること
【STEP2】
次のいずれかに該当すること
- 内因性のインスリン分泌が枯渇している状態で、空腹時または随時の血清Cペプチド値が0.3mG/ml未満を示すもの
- 意識障害により自己回復ができない重症低血糖の所見が平均して月1回以上あるもの
- インスリン治療中に糖尿病ケトアシドーシスまたは高血糖高浸透症候群による入院が年1回以上あるもの
【STEP3】
一般状態区分表※のイまたはウに該当すること
※一般状態区分表は、日常生活の制限の程度をア~オの5段階で示した指標です。