移植の拒否反応(GVHD)
平成29年12月「血液・造血器疾患の障害用」診断書の様式変更

最近障害年金の存在を知り、「悪性リンパ腫(ステージ4)」で受給が可能か知りたい

ご相談者

女性(60歳)

障害の種類

  • 悪性リンパ腫により移植手術を受けた方からのご相談

傷病

  • 濾胞性リンパ腫、骨髄異形成症候群

状況(発育歴・治療歴)

  • 10年ほど前からリンパ節の腫大があり、肺水腫を発症したため併せて検査したところ、すでにステージ4の悪性リンパ腫と診断される。
  • 抗がん剤治療を行うも毎年のように再発、さらに骨髄異形成症候群を併発したため自家移植を行う。
  • 自家移植では回復がみられなかったため、同種移植を行うが拒否反応が起こり歩行困難となる。
  • 抗がん剤治療の副作用から白血球数値がほぼゼロに等しく、また体重減少著しく、体力低下、疲れやすい。
  • 着替えやトイレは介助が必要、食事(炊事)、洗濯、掃除等は家族が全て行っている。

ご相談の内容

障害年金の存在自体を最近まで知らず、受給が可能かどうか知りたい

障害年金の存在自体を最近まで知らず、受給が可能かどうか知りたいとのことでご相談にいらっしゃいました。

濾胞性リンパ腫とは、悪性リンパ腫の一種で血液細胞に由来するがんの一つです。症状としては、首や腋の下、足の付け根などリンパ節の多いところに多くは痛みのないしこりとしてあらわれます。
自覚症状として、発熱や体重の減少、盗汗(顕著な寝汗)、皮膚のかゆみや発疹などがありますが、自覚症状としては乏しいので気づかないうちに病期が進んでいるケースも多く見られます。

障害年金は、基本的にどれだけ労働および日常生活に支障をきたしているか、ということが大きなポイントとなり、それにより支給不支給が大きく変わってきます。

病にもよりますが、相談者様の「濾胞性リンパ腫」「骨髄異形成症候群」という傷病がそのままたちまち障害年金の受給基準を満たすわけではありませんが、相談者様の場合には、血液検査の結果、数値に異常がみられ認定基準に当てはまること、また治療の副作用により生活の多くに介助が必要となったこと、移植の拒否反応(GVHD)により歩行困難となったことなどを鑑みると、受給できる可能性は大いに考えられます。

ご相談をお受けして

日常生活の状況については、主治医が把握できている部分に限りがありますので、ご本人様からの聞き取りをもとに資料を作成し、依頼する診断書に添付するようにする等して、実態を反映した診断書を作成いただくような工夫をすることが必要です。

平成29年12月より「血液・造血器疾患の障害用」診断書の様式が変更となり、GVHDについての項目が追加されました。
今回の相談者様のように慢性GVHDの症状がある場合には、そのことも主治医に明記していただくことが重要となります。

また、障害年金申請の際、「病歴・就労状況等申立書」はご本人様が思いを訴えることのできる唯一の書類であり、とても重要な役目を果たしています。
ご相談者から、傷病に関係するエピソードおよび日常生活で困っていらっしゃることなどをいろいろと聞き出し、反映させることも重要となってきます。