20歳前傷病の初診日証明

困ったおじさんイラスト

20歳前に初診日がある方のご相談の中で多いのは初診日の証明が取れないということです。たとえば、何年も前の事故や傷病によるものは、初診日の証明となるカルテがないケースがあります。

先日、Aさん(現在36歳)のお父様が当事務所に相談に来られました。Aさんは脳動静脈奇形のため、幼少の頃から複数回脳外科手術を受け、それによる様々な後遺症に悩まされ、現在は重い精神障害をお持ちです。

Aさんもご両親も長年にわたって障害と闘って来られました。
Aさんのご両親が最近障害年金という制度を知り、請求手続きを行おうとしたところ、
「30年前に初めて受診した病院が既に廃業していて存在しないから初診日の証明が取れない」、「それでも初診日証明がないと障害年金請求ができないと言われた」とのことで、途方に暮れて相談に来られました。

このようなケースでも、諦めることはありません。
初診日にかかった病院のカルテの保存がなくても、以下の書類で初診日が証明できることがあります。また、20歳前に初診日がある場合は、初診日でなくても20歳前に病院を受診したことを証明することが重要です。

カルテイラスト
  • 転院先のカルテ
  • 市町村が保存している障害者手帳の写し
  • 協会けんぽ、健康保険組合、市町村が保存しているレセプト(診療報酬証明書)
  • 保険会社に提出した書類
  • 診察券
  • お薬手帳
  • 紹介状
  • 領収書
  • 家族の日記
  • 廃業した医師の意見書(廃業した医師を探す)

Aさんの場合は、お父様の30年前の日記に転院についての記載があり、二つ目の病院に初診日を証明するカルテが残っていました。
最後まで諦めず、限りなく可能性を追求することが大切です。