クローン病発病の後肛門癌で障害基礎年金2級を受給できた事例

ご相談者

40代

傷病名

  • 肛門癌

年金種類と等級

  • 障害基礎年金2級

ご相談時の状況

成人後クローン病発病。その数年後、肛門癌および直腸癌が見つかり、人工肛門を造設。この際ご自身で障害基礎年金を請求も、不支給決定。

後に複数の骨盤内臓に癌が認められ、骨盤内蔵全摘出術施行。これに伴い新膀胱造設。

再度の障害年金請求を検討したが、一度自身で年金請求を行い不支給決定であったことに不安を感じられ、今度は専門家に依頼して手続きを進めたいとのご意向。ご来所頂き、無料相談後、弊所に手続き代行依頼を頂くに至る。

サポート内容

  • 成人後、職場の定期健康診断においても異常所見なく就労していた(国民年金に加入)。
  • 肛門周囲の痛み、下痢等の消化器症状で総合病院を受診したところ、クローン病と診断され、手術、投薬、経過観察をしていた。
  • 経過観察で通院していたところ、肛門癌が見つかる(国民年金に加入)。
  • 肛門専門病院にて、腫瘍切除術施行、さらに経過観察を継続。
  • 約一年後、肛門癌再発の為、以後は大学病院にて治療することになる。
  • 大学病院で直腸癌および肛門癌切除術施行、人工肛門造設。
  • クローン病症状のフォローを受けていたところ、肛門部はじめ骨盤内多臓器に癌が認められたことから、大学病院にて骨盤内蔵全摘出術施行。これに伴い新膀胱造設。
  • クローン病と肛門癌の初診日は、いずれも国民年金加入中の別日であり、障害基礎年金の請求となることは理解するが、一度自身でクローン病を請求傷病として障害年金請求書を提出している(国民年金加入中)状況下で、今回障害基礎年金を再度請求する方法がよくわからないため、社労士に手続き代行を依頼されたい、とのお話であった。

請求のポイント

  1. 前回請求傷病の「クローン病」と、今回請求傷病の「肛門癌」に因果関係があるものとして請求するかどうか。
  2. 因果関係ありか無しかの判断によっては、準備すべき「受診状況等証明書」が異なる可能性がある。
  3. 因果関係の有無の判断にあたっては、診断書(現在の症状を表わすもの)に、主治医がどのような記載をされるかを確認した上で方針を検討するのがよい。
  4. 事後重症請求となることから、一日も早く手続きを進めることが望まれる。

請求におけるポイント

  • 作成された診断書の傷病名は「肛門癌」のみであり、肛門癌発病以降の経緯のみが記載された診断書であった。
  • クローン病と肛門癌の因果関係を申し立てることは、請求手続き上適切でないと判断。肛門癌にかかる「受診状況等証明書」を新たに入手し、肛門癌を請求傷病とする年金請求を行うこととした。
  • この際、クローン病と肛門癌の相当因果関係ありと認定される可能性も踏まえ、「病歴・就労状況等証明書」の作成にあたっては、“参考:クローン病による受診期間”とした、クローン病にかかる治療経緯を明らかにした上で、年金請求書類を整え、提出した。
  • 日本年金機構による審査中、クローン病と肛門癌との間に相当因果関係があると認定され、肛門癌による障害年金請求の初診日は、クローン病の初診日である●年●月●日として審査が進められる旨、年金事務所より代理社労士宛てに電話が入った。

結果

障害基礎年金2級(年間約78万円)に決定

相談を終えて

おひとりでは請求方法に不安があるケースこそ、速やかに専門家にお任せいただくことが大切です。ご不安を抱えたままインターネット検索しているうちに、年金請求手続きが先延ばしになり、失われてしまう年金は、決して少額ではありません。

どのように審査が進められるのか複数の可能性を視野に入れ、あらゆる知識と経験を駆使して、最善の方針をご提案いたします。

受給決定後は、今までのご不安から一転し、ほっとされたご様子で、私たちも大変嬉しく感じました。長い間、クローン病および骨盤内臓器の癌治療と向き合ってこられた依頼者様から、精神的にとても余裕ができたとのお話を頂きました。