網膜色素変性症(両眼)で障害基礎年金2級を受給できたケース

相談者

  • 女性(30代)
  • 傷病名:両網膜色素変性症
  • 年金種類と等級:障害基礎年金2級
  • 支給月から更新月までの支給総額:約660万円

相談時の状況

相談

ご本人様に相談にお越しいただきました。現在、2人のお子様を子育て中のご依頼者様(女性)です。

小学生低学年時に夜盲(夜間など暗い状況下で目が見えにくい)症状を訴え、当時お母様 に連れられて地元の総合病院眼科を受診されたとのことです。そのときのかすかなご記憶 と、お手元に診察券が1枚あるのみで、病院に問い合わせても、カルテが破棄されており 、具体的な検査結果や治療内容は明らかにならなかったとのことです。この病院には以来 、20年以上受診していらっしゃらないとのこと。

また、小学生~大学生~ご就職~ご結婚~ご出産~現在に至るまで、通学、転勤のために多数回お引っ越しをされていること。眼科受診歴が長く各医療機関が全国各地多数にわたり、その受診も不定期であること。長い年月を経て、症状が悪化、現在は日常生活に困るほど視野が狭くなってしまっていること。等々、一見複雑に感じられるような事例でした。

「このような状況ですが障害年金を受給できるでしょうか。」とご相談いただきました。

相談から請求までのサポート

眼科

まず、初診日を確定するところからスタートしました。小学生時に受診されたという総合病院に問合せ、カルテのないことを再度確認し、「受診状況等証明書が添付できない申立書」と診察券にて初診日証明と致しました。

次に、中学生時に受診されその後の学生時代に数年に一度経過を診ていただいていた、地 元の開業眼科医の先生に、現在の症状を診断していただくこととなりました。視覚障害用 の診断書の内容を「障害認定基準」に当てはめてみると、2級相当であることが確認でき ました。

この診断書のみを年金機構に提出した場合、提出月の翌月からの障害年金支給 となります。

こちらの眼科医には、学生時代の帰省のタイミング(不定期)で、数年~10年の間隔で受 診していた、とご本人様から伺っておりましたので、20歳誕生日前後3ヶ月の期間におい て受診されていた記録がないか、過去のカルテを調べていただけるよう、私共から医師に 照会致しました。すると、偶然にも20歳前後3ヶ月の期間にご受診されており、カルテに 検査結果が残されているとのこと。すぐに、その20歳当時現症の診断書をご作成いただき 、「障害認定日」「現在」両方の診断書を添付して「障害認定日請求」での請求を致しま した。

15年以上前の検査結果が残されていたことで、さかのぼって年金を請求できる結果となり 、ご本人様からも大変喜んでいただけました。

結果

障害基礎年金2級(約78万円+子2人の加給約45万円/年)認定

5年間遡及(さかのぼり)支給額 合計約660万円